「ううっ………」

 ショーウインドーにへばりついたまま、俺の身体は動かなかった。
 涙で、文字が滲む。
 5年て………長いよなぁ。

「………まさか……1ヶ月くらいしか使っていないマっシーンが……既に旧式……」

 5年前。
 俺が中等部に入学した時に買ったゲーム機。
 SAGAのドリーミーサタン(夢見がちな悪魔)
 略してDS。
 まさか、後継機が出てるとわ。
 買ってすぐに『仕事』に出されてしまったので、あんまり遊んでないのに……。
 今俺がへばりついているショーウインドーには、DSの後継機、DS-MK2が有った。
 DSと互換機能、ネット機能装備のニクイやつ。
 現行機、最高スペック。
 さらには、周辺機器も充実。
 ジョイスティックにフライトスティック。
 太鼓にギターに、ターンテーブル。
 スポーツマットにタブレット、キーボードにマウスも装着できる、夢のようなマシーンだ。

「しかし……この、アーケードマシーンに突き刺さってるのは、どう見ても無理が無いか?」

 ゲームセンターにおいて有るようなバイクの筐体に、DS-MK2が装着されていた。
 普通に筐体買っても、別に変わらないんじゃないのか……なんて疑問が沸いて来る。
 一般家庭じゃ、置く場所も無いだろうが。

「ま、そんなことはともかく」

 気を取りなおしてウインドーの中を見ると……。
 さん然と輝く、白いボディ。
 夢のマシーンがそこに有った。
 おそらく、混沌とするハード業界を統一する、地上最強のマシーン。

「……ううっ……欲しいよぉ………」

 またショーウインドーにへばりつく。
 しかし俺の所持金は、現在3万円とちょっと。
 このマシーンは、29800円。
 ソフトは、一枚約5000円、か。
 どんなに逆立ちしても、涙を流しても……。

「……買えないよう………欲しいよぉ………」
「こらっ」

 みしぃ。

 俺の顔面が、ショーウインドーに突き刺さる。
 涙の跡が、ガラスにくっついた。
 向うから見ると、かなり間抜けだろう。

「うぐぐっ……なにしやがんだっ!」

 痛む後頭部と顔面を押さえながら、振りかえって後方を見る。

「う、うげっ!?」
「何してるはこっちの台詞だ。……というか、少年。人を見るなり、ずいぶんの反応じゃないか、ええ?」

 振り上げた右足の間に、赤いパンツが見えた。
 普通なら飛びあがって喜ぶのだが……。
 白き太腿の持ち主をよーく知ってる俺にとって、それは恐怖以外、何物でもない。

「かかか、か………」
「何だ、その化け物でも見たような顔は? 失礼過ぎるぞ、少年」

 化け物の方がマシかも知れん。

「薫子さん!?」
「そうだ。久し振りだな、少年」

 そこに居たのは、人の皮を被った悪魔。
 有る意味蓮霞よりも性質の悪い、望月薫子(もちづきかおるこ)さんだった。







  目の前に居る、黒いタイトスカートから赤いパンツを覗かせている女性。
 千代女(ちよめ)衆という、『百地』の中にある超流派の集団を統べている人だ。
 年齢不詳。
 バストは95cmのEカップ。
 ウエストはおそらく、52〜3cmだろう。
 ヒップは90cm。
 ノースリーブのシャツからはみ出す腕は、どんな男でもしゃぶりつきたくなるはずだ。
 ……俺だけか?
 紺色の長髪と、端整でエッチな顔立ち。
 口の脇に付いているホクロが、またエロい。
 凶悪なボディと、邪悪な心を持つ、上級悪魔の化身だ。
 神殿で、50回くらい合体させないと出てこないタイプの悪魔。
 その悪魔が統べる千代女(ちよめ)衆とは……。
 いわゆる『女』を武器にする集団で、百地各流派から選出された女性で形成されている。
 古今東西、情報を手に入れるのは、女性が一番適任だからだ。
 各流派から選ばれた千代女(ちよめ)衆は、話術や記憶術、情報伝達術やエッチな術を習得し、世界中で暗躍する
 とかしないとか。
 ヤらしてくれそで、絶対にヤらせない、鬼のような集団。
 その中でも薫子さんは、歴代でも類を見ないほど優秀だ。
 絶対的陰忍と、それに裏打ちされたテクニック。
 千代女(ちよめ)衆に入って数年。
 あっとゆーまに、衆長まで上り詰めてしまった。
 その影で、何人の男が泣いたことか……。

「……何を恨めしそうに見ている?」
「いえいえ。めっそうもございません」

 正座したまま、そっと俯く。
 別に敬意を表して正座してるいる訳ではなくて、ただ単に蹴り飛ばされたままの体勢だからだ。
 その間も薫子さんは、右足を膝蹴りの体勢で保持している。
 赤いパンツの眩しい事。
 ぜってーにわざとだよな。

「で、だ。少年」
「……その、少年ってのやめて欲しいんスが」
「……………フッ」

 俺も立派な男だし。
 だが、俺の台詞を聞くと……薫子さんは、呆れるように笑った。
 むかつく!

「私に比べたら、全然少年じゃないか」
「……いくつなんスか、薫子さ……」

 みしい。

 言い終わる前に、赤いハイヒールが飛んで来た。
 膝を支点にした、掛け前蹴りだ。
 ヒールが的確に、人体の急所の一つ、人中にめり込む。
 普通なら死ぬって。
 しかし、ホント、何歳なんだろうな?
 俺が初等部の時には既に、千代女(ちよめ)衆の長に収まってたから……。
 千代女(ちよめ)衆に徴収させるのは、平均で15歳前後だろ?。
 てこた………。

 みしい。

「人の年など、詮索するもんじゃぁない」
「……ふぁい」

 再びめり込んだ、赤いヒール。
 今度の掛け前蹴りは、捻りも加わっていた。
 てゆーか、心読まれてんのかよ、俺。
 さすが千代女(ちよめ)衆。
 人心掌握にかけては、右に出るものは無いとまで言われた集団の長だ。

「で、だ。少年。何を嘆き悲しんでいるのだ?」
「ヒールが顔面にめり込んで、痛いんス……」

 みしい。

 3度目のヒールがめり込み、鼻血が出た。
 捻りの他に、貫通力を生み出す『卦力(けりょく)』も込められている。
 い、いかん。
 このままだと、別な属性が芽生えてきそうだ。

「で、だ。何を嘆き悲しんでるのだ、少年!」

 これ以上の話し引き伸ばしは、俺の身体に優しくない。
 とはいえ……。
 ゲームが買えないので、嘆いてました………とかは、言いたくないなぁ。
 薫子さんは『千代女(ちよめ)衆』であると同時に、茉璃ねーさんと同門の『望月』でもあるのだ。
 今は茉璃ねーさんが()ちたとは言え……。
 あまり恥をかかせる事は言いたくない。
 んじゃなんで、こんな所で嘆いていたのかと言えば……。
 静流か金持ちのオッサンでも通りかかって、『欲しいのか、ボウズ?』って言ってくれないかと思ってよ。

「いえ、別に………なんでも無いっス」

 鼻血を拭きながら、視線を逸らす。
 端から見ると、パンツ見て鼻血出してるみたいじゃねーか。
 情けない。
 てゆーか……往来で正座してる俺は、結構情けない。

「………ほう。この私に隠し事すると言うのか?」

 薫子さんの瞳が、キラリと光った。
 上げていた足を下ろして、膝を付く。
 体勢を変えても、パンツが見える事は変わらない。
 こーいった挑発行為が、身に染みついてるからなぁ。
 恐ろしき集団よのぉ。

「い、いや。隠し事なんかしてな」
「ハッ!」
「はうっ!?」

 膝立ちのままの薫子さんの腕が消えたかと思うと、いきなりパンツの中に侵入してきた。
 しかも、進入してきただけで無く、一気に肉茎(にっけい)を握られる。
 生暖かい指が、俺のアニマルを捕捉。
 てゆーか、いつの間にベルト外されてんだ、俺?

「ななな、何を……?」
「……随分と成長したじゃないか、少年♪」

 そんなところで、成長を測んな。

「さて、少年?」
「うおっ!?」

 肉茎を握った5本の指が……まるで生き物のように蠢く。
 そんなつもりは無いのに、一気に怒張した。

「ほほぅ? 本当に成長したね」
「お、おかげさまで………」

 わけわかんねー。

「さて少年? 何を嘆き悲しんでたのだ?」
「ううっ………うわっ! や、ヤバいって、薫子さん! ………う………うわっ!?」

 (うごめ)く指が、俺の肉茎の上を這いずり回る。
 腰の辺りがしびれ始めた。

「ほらほら♪ 喋らないと、パンツの中が白濁した液体で満たされてしまうぞ?」
「わ、解かりましたよっ! 喋りますからぁ!」
「よーし。ほら喋れ、少年」
「……だから……もう少し続けて……♪」
「違うだろ」

 みしい。

 ツッコミと同時に、薫子さんの肘が人中にめりこんだ。








 ………………………………………………………。
 ………………………………。
「なんて情けない。忍びともあろう者が、ゲーム機一つ買えんとは……」
「……ううっ……面目無い」
 
 あのままでは、本当に路上で射精してしまいかねないので、観念して事情を説明する。
 事情説明の間も、地べたに正座したままだった。
 勿論薫子さんは、膝立ち。
 赤いパンツに……いきり立ったアニマルが反応する。
 快楽の耐性も習得してるんだが……俺って奴は。
 危なく身を委ねてしまいそうだったぜ。

「しかし、話しを聞くと……多少の同情の余地もある。5年で5万とは……道座(みちざ)殿も非道な……」
「でしょ?」
「ふむ………一つ、依頼をしよう。少年」
「お断りします」

 薫子さんの台詞が終わると同時に、即座に答える。
 いくら貧しているとはいえ、いちおー日本の守護者たる『楯岡』だ。
 犯罪だけならともかく、倫理や禁忌に引っ掛かる事はしたくない。

「良い度胸だ、少年」
「なんと言われても、忍びの道だけは外しません」
「……私が、どんな依頼をすると思っているんだ?」
「シャレにならん、黒い依頼」

 みしい。

 薫子さんが、『立ちあがり膝打ち』を俺の額に叩き込む。
 千代女(ちよめ)衆流『立ちあがり膝打ち』とはその名のとーり、立ちあがる瞬間、首を抱えて膝蹴りを敵に叩き込む
 技だ。
 大した技ではないが、命中率は9割を誇る。
 たいてい、パンツに見とれてるからな。
 ムエタイにも同じような技が在るが、対忍者の命中率は低い。
 首を抱えた瞬間、関節を取るからな。

「もう一度だけ聞こう」
「……ふわぃ……」

 くらくらした頭で、なんとか答える。

「一つ依頼をしよう、少年」
「お断りしま」
「成功報酬、三万円だ」
「せんとも、ええ。やらせていただきます」

 あら、しまった。
 頭がくらくらしてたから、つい受けてしまった。
 決して金額に目が眩んだわけじゃない。
 眩んだわけじゃないが……一度引きうけた『仕事』は、こなさなくっちゃな♪
 それが忍びってもんだよなぁ、おい。

「ま、そんなに困難な仕事じゃない。少年なら充分可能だろう。『五遁(ごとん)の大河』なら、な」
「……なんか含みがありますね?」
「そんな事は無いぞ」

 と言いつつ笑う薫子さん。
 背筋が凍りつく笑みだ。

「実はな。『百地』に忍びこんで、在る物を入手して欲しい」
「…………………なんですと――――――!」

 こうして無意味に長いイントロを経て、俺の『仕事』が始まった。
 いや、ほんとなげーな。











                『静流……白刃を潜り抜け〜御パンツ大作戦〜』











「つーことで、静流のパンツを盗みに来たわけですが」

 ……改めて依頼内容を口にすると、情けなさ倍増である。
 薫子さんの話によると、静流のパンツは10万以上で売れるんだとか。
 買う奴の気が知れんよ。
 薫子さんも何度と無くチャレンジしたものの、どうしても手に入れることが出来なかったそうだ。
 静流のパンツを売った金は、千代女(ちよめ)衆の教育資金にするとか言ってたが……。
 なんの資金だよ。
 おそらく自分で飲んじゃうんだろ。
 ま、その一部が、俺に報酬として支払われる、と。
 その金で俺はゲームを買うわけだ。
 ……………なんか匂いそうだな。
 ちなみにダミーパンツは、その筋のスペシャリストによって瞬時に見破られるらしい。
 なんのスペシャリストかは、全く解からんが。

「はぁ……」

 俺の眼前に広がる、百地屋敷の厚い塀。
 日本でも、最高レベルの警備のこの屋敷に、パンツ目的に忍び込む。
 男らしいのか変態なのか、全くわからん任務だ。
 俺のご先祖様も、さぞかし嘆いているだろう。
 俺の先祖である楯岡道順(どうじゅん)は、織田信長を2回も狙撃した伝説の忍者だ。
 あらゆる警備を潜り抜け、信長に2回、刃を突き付けた。
 だが、その命を奪うことなく立ち去り、その後は行方不明とされている。
 本当はその後……。
 忍者の監視機構、『楯岡』を作り上げ、今日に到るってわけだ。
 その子孫が今まさに、同じような状況に立たされている。
 目的はパンツだが…………………………ごめんなさい、ご先祖様。

「さて」

 あまり嘆いてもいられない。
 どんなに下らなかろうが、下品で変態的であろうが、一旦受けた任務だ。
 命かけても、果たすしかあるまい。
『楯岡』として行動するならともかく、今の俺は伊賀崎である。
 故に、忍び装束なんて物は、持っていない。
 いつものGジャンに、Gパンだ。

「………ますます変態だよな」

 いやいやいや。
 嘆いててもしょうがないんだ。
 この日本最高を警備を、どのように潜り抜けるか……。
 まずそれを考えなくては。

「……」

 ふと、目の前に在る塀を見詰めた。
 高い塀の上には、当然のように電流が流れている。
 しかも、火薬の隣りに設置されていて、電流が流れた瞬間、爆破もするわけだ。
 ある意味、電流爆破マッチ。
 塀の高さは、5m。
 しかも、大凧による進入も防ぐため、シャレにならん監視体制が引かれている。
 その塀を越えたとしても、次は中庭。
 勿論、忍犬が警備しており、口に咥えた忍刀を振りかざしてくる。
 十匹で一集団を組む忍犬は、第1陣から第3陣までに別れて、波状の攻撃を仕掛けてくるのだ。
 統率するリーダー犬が鳴きまくって、侵入者の有無を知らせるしな。
 俺の経験によると、百地の忍犬集団は6衆。
 ある意味、ワンワンぱらだいす。
 それを(かわ)そうとして、塀から屋敷に綱を張ろうとしても無駄。
 屋敷も塀も、あるとあらゆる端に刃が仕込まれている。
 綱を切断するためだ。
 では、いっそのこと、爆弾で塀に穴でも空けてはどうか?
 それも不可能。
 百地の壁という壁は全て、爆弾対策が成されている。
 外壁は薄く、内壁は頑丈に、だ。
 ブロックに分れている外壁と内壁の間には、多量の火薬が仕込まれていて、爆風によって爆発の威力を
 相殺する。
 核でも打ちこめば解からんが。
 勿論、内壁には電気が流れていて、破ろうとしただけでもそのブロックが外に向かって爆発する。
 で、警備の忍者が、わらわらと飛んでくるって訳だ。
 百地の警備をする忍者は、それだけのために存在する忍軍が配置されている。
 日本でも有数の実力者集団。
 いくら『楯岡』の俺でも、この忍軍を20人も相手にするのは辛い。

「はぁ……」

 俺はトボトボと歩き出した。
 どうせ、外壁を歩いてるこの瞬間も、見張られているのは解かっている。
 今更逃げ隠れしても、無駄なのだ。
 この塀を力技で越えるのは、不可能に近い。
 不可能じゃないんだけどな。
 普通の忍軍には、無理なだけ。
 もっとも、俺でも………この太陽がさんさんと輝いてる時間にチャレンジする気にはならねー。
 監視されながら、正門の前を通りすぎる。
 正門は分厚い樫の木で出来ているように見えるが、中身は外壁と同じ材質だ。
 しかも忍者屋敷には似つかわしくない、ハイテクな警備まで敷かれている。
 正確に言うと、この屋敷は『百地』流の本山ではない。
 あくまでも静流ら家族が住んでいる、プライベートな空間だ。
 仕事の依頼やその他の業務は、分家である『百地』一派が引きうけ、それをこの屋敷に持ってくる。
 んじゃ、ここが本山じゃんってツッコミも在ろうが、ここが潰されても『百地』一派の何処かが、そのシステム
 を引き継ぐのだ。
 つまり、『百地』本山は存在しないと言うことになる。
 場所が重要なのではない。
 重要なのは、『人』である。
 そんな事を考えながら、正門から遠く離れた小さな扉の前に立つ。
 扉脇に設置されている、小さなボタンを躊躇(ちゅうちょ)無く押した。

 ぴんぽーん。

『……あらぁ〜? もしかして、大河ちゃ〜ん?』
「あ、はい。お久しぶりです」

 家庭的なチャイムと共に、何処からとも無く聞こえる間延びした声。
 静流のお袋だ。
 カメラや忍者に監視されているだろうが、知ったこっちゃ無い。

『どうしたの〜? ひさしぶりねぇ〜』
「あ、はい。静流に内緒で、静流の部屋に遊びに来ました」
『わかったわ〜。ちょっと待ってね〜♪』

 数秒待つと、目の前の扉が左右に分れた。
 その向うでも隠し扉が、上に持ちあがったり下に下がったりして忙しい。
 セキュリティ解除まで、きっちり20秒。
 しかし……通す親もどーかと思う。
 この屋敷の全部を握っている、『御館様(おやかたさま)』なのにな。

『どうぞ〜。静流ちゃんのお部屋は、知ってるよねぇ〜?』
「あ、はい」
『後からお茶持っていくからねぇ〜』
「あ、いえ。お構いなく」

 それだけ言って、扉をくぐる。
 無理矢理押し入るのが不可能なら、許可して入れてもらえば良い。
 日本最高警備をクリアした瞬間だ。
 ……………説得力は無いけどな。





「相変わらず……デカい家だよなぁ……」

 石畳を慎重に歩きながら、巨大な屋敷を見上げる。
 耐火システムも万全な、木造の屋敷。
 この家を制圧するには、軍隊でも難しいだろう。
 俺が今歩いている石畳も、一歩踏み外すと……。

 ……………………。

 吠える事を知らない忍犬に、飛びかかられるってわけだ。
 さっきの、静流のお袋とのやり取りからでは解からないだろうが、俺が許可を貰ったのは『静流の部屋』ま
 での道程である。
 その道筋から一歩でもはみ出すと、たちまち御用となる。
 トイレに行くのに間違っちゃって♪ ……なんて言い訳は通用しないのだ。
 言い訳する暇も無く、斬り捨てられるしな。
 警備が厳しいのか緩いのか、判断に迷うところだな。

「ごめんくださーい」

 なんの変哲も無さそうな、竹戸をくぐる。
 この瞬間も、弓やら手裏剣やら槍やら犬やらが狙ってるのだ。
 気の小さい奴なら、一歩も進めまい。
 俺は平気なので、靴を脱ぎ散らかして奥に進む。
 短い直線が組み合わされた廊下を歩きながら、天井に設置されたカメラに手を振った。
 このカメラの向うにいる人間に会ったことはないが……まあ、多分大丈夫だろう。
 静流のお袋が話しを通してくれてるはずだ。
 でなければ今ごろ俺の身体は、なますに刻まれて犬の餌。
 やたらと長い、入り組んだ廊下を歩いていると……。

「……あった」

 静流の部屋の前についた。
 この一角だけ、普通の家庭のような造り。
『百地』の居住空間だ。
 この空間内だけは、警備の目も光らない。
『百地』の生活を覗き見るのは、万死に値するからだ。
 じゃないと静流も、おちおちオナニーも出来ないもんな。

「……………………」

 ノック無し。
 部屋の主の許可も無しで、気配を消して無言で押し入る。
 ピンク色の………なんのつもりだ、こんちくしょう……部屋の中に侵入すると………。

「……………!?」

 うお!?
 や、やばい!
 部屋の端に在るベッドに………静流!?

「……………」

 怯えながら歩を進めるが……静流は薄い毛布をかぶって、すやすやと寝ていた。
 ピンク色の毛布が………似合わねー。
 俺が気配を消しているせいもだろうだろうし、鉄壁の守りの『百地』屋敷ということも有るだろうが……。
 静流はまったく起きる様子が無かった。
 だらけすぎだぞ、『百地』の娘!
 ………昼間っから、幸せそうな寝顔しやがって……。
 俺が枕元に立っても、静流は全然起きようとしない。
 ヌイグルミを抱きしめて、猫みたいな口ですやすやと寝ている。
 ……………あれ?
 このヌイグルミ……見たこと在る気がするな。
 あ、あれだ。
 関西野球チームのマスコットの、ガオッキー。
 静流があの球団のファンだとは思わなかった。
 しかし……汚れたヌイグルミだな。
 さぞかし静流の涎を吸い取ったのだろう。
 かなり古い品のようだ。

「………………うふふ♪」

 びくっ!

 ………………なんだよ、寝言か。
 ビックリさせやがって。
 寝言は寝てから言えってんだ。
 虎のヌイグルミを抱きしめてニヤニヤしてる静流を、おもいっきり睨み付ける。
 ま、こんなことをしている暇は無い。
 静流の寝言で、ようやく自分の任務を思い出したぜ。
 寝顔に見とれてる場合じゃねーっての。
 俺は気を取りなおして、部屋を見渡した。
 ピンクベースの部屋は、どこぞの大巨人と同じセンスを感じる。
 なんか、普通の女の子の部屋みたいな気がするな。
 小さな机、丸いガラステーブル。
 ピンク色のクッション、爽やかな草原の絵。
 本棚には見たことも読んだことも無いような詩集とか、少女漫画。
 ピンク色のCDプレーヤーに、得体の知れないヌイグルミに、研ぎ澄まされた槍と大弓。
 ……………やり?
 普通の女の子の部屋には、槍とか弓とか忍刀とか飾ってないだろ。
 しかも、どれも使いこまれてるし。
 あ、飾ってあるんじゃなくて、実用品なわけな♪
 ……………………早くこの部屋を出よう。
 部屋の見学に来たわけじゃないもんな。

「………………」

 見渡すまでも無く、目的の場所は在った。
 クローゼットの隣りにある、小さなタンス。
 上には得たいの知れないヌイグルミが飾られているが……それは無視しよう。
 静流がひねくれ者でなければ、目的のブツはあそこに収められてるはずだ。
 静かに歩いて、タンスの前に立つ。

「……………」

 な、なんか緊張するな。
 下着泥棒とかって、変態の気持ちがほんのちょっと解かる気がする。
 このドキドキ感がたまらないんだろうな。

「……………」

 癖になりそうなスリルを振りきって、タンスの一番上の段を開ける。
 なんのトラップも無く、小さな引き棚は開いた。
 日常生活に使うタンスに、トラップがしかけられてても問題だけどな。

「……………♪」

 中には予想通り、色とりどりのブツが収められていた。
 だが手に取るのはまだ早い。
 そっと後を振り返る。

「………くぅくぅ………えへへ……………♪」

 静流はまだ夢の中だ。
 ギャグ漫画とかギャルゲーなんかだと、手に取った瞬間、視線を感じるもんなんだが……。
 俺の隠形(おんぎょう)が凄いのか、静流が間抜けなのか……。
 ま、それならそれで。
 俺はタンスに向きなおして、目的のブツを……。
 色とりどりの、静流のパンツ。

「………………………………………………………」

 ……………………………………。
 ………………………。
 ……駄目だ。
 こんなんじゃ駄目だぁ!
 なんだっ!?
 俺はなんだっ!?
 俺って存在は、なんなんだっ!?
 パンツを盗みに来た変態。
 違うっ!
 そうじゃない!
 言い得て妙だが、そうじゃないっ!
 俺はなんだっ!?
 忍者だろっ!
 こんなにイージーに、ミッションクリアして、良いのかっ!?
 日本最高警備を、裏口からクリアして!
 凶悪などーぶつが寝てる間に、財宝をゲットする!
 それが忍者のやることかっ!?
 駄目だっ!
 そうじゃない!
 そうじゃないんだっ!
 任務達成のためなら、手段は選ばない!
 それも忍者の生き方かも知れん!
 だが俺は違う!
 俺は………俺は……………俺は『楯岡』なのだぁ!
 全然関係無いけど。

「……………」

 つーことで。
 俺はタンスをそっと閉めて、寝ている静流に歩み寄った。
 ピンク色の毛布から、白く長い足がはみ出している。

「……えへへ……♪」

 幸せそうな寝顔しやがって……。
 そんなんで俺をたばかれると思うなよっ!

「………………」

 そっとピンク色の毛布をめくる。
 昼寝っつーか、熟睡している静流。
 長い足のその向うには………ピンク色のブツ!
 そう!
 これを手に入れてこそ、俺!

















「………くぅくぅ………………」

 目的のブツを手に入れるんなら、足元の毛布をめくるだけにすべきなのだろうが……。
 それでは男らしくない。
 静流を包んでいる、全身の毛布を除去する俺。
 うむ、男らしい。
 なんのつもりか静流は、男物のシャツをパジャマ代わりにしているらしい。
 下半身はパンツ一丁だ。
 わりとイージーなこと、するよな。
 ま、それはそれで良しとしよう。
 非常に俺好みではあるし。
 身動き一つしない静流の足首を、そっと掴んで……そっと開く。
 慎重に慎重を重ねるのが、忍びなのだ。

「…………ん……………」

 少しだけ静流が動いた。
 ……………気付かれたか?
 だが静流は気付くことなく、そのまま寝入っていた。
 よしよし。
 そっと動いて、ベッドに体重を掛ける。
 俺の重みで、スプリングが軋んだ。
 目の前に………静流のふくらはぎ。
 良く鍛えているらしく、なかなか力強い。
 だが俺や親父の筋肉とは違って、プニプニと柔らかそうだ。
 柔軟なんだろうな。
 思わず、人差し指でなぞってみる。

「………んん……………」

 静流の身体が、ピクリと動いた。
 同時に指の動きを止める。

「…………………」

 ……………起きなかったみたいだな。
 てゆーか、こんなことしてる場合じゃねーっつーの。
 視線を静流のふくらはぎから無理矢理外して……うっ!
 さらにその上にあるのは、めちゃめちゃ柔らかそうな、静流の太ももだった。
 真っ白な肌。
 思わず……。

 ちゅっ。

「………はっ……ん……」

 やべえやべえ。
 なにしてんだ、俺?
 無意識のうちに、静流の太ももにキスしていた。
 だって、美味そうなんだもんよ。
 じゃ、気を取りなおして。

 ちゅっちゅっ。

「……あぁ………んん………」

 違うだろ、俺!
 気を取りなおして、愛撫開始してどーすんだ。
 心と身体が離反している。
 そんなことして静流が起きたら、全てがパーだぞ!
 名残惜しい気持ちを押し殺して、太ももを通過する。
 うむ、忍者っぽい。

「……………ふぅ……………んん……………」

 なんだが静流の寝息が艶かしくなって来た気がするが、敢えて無視する。
 俺の目的は一つ。
 目の前に広がる、ピンク色のブツなのだっ!
 ………ちょこっと、近付きすぎたな。

「………あん……………やっ………………」

 俺の息が、静流の秘所にかかっているのだろう。
 静流の太ももがモジモジと動き出した。
 かなり楽しい。

「………は……………う………………」

 だが、いつまでも見とれているわけにも行かない。
 染みでもついたら、大事だからな。
 静流は悶えてはいるものの、起きる気配は無い。
 じゃ、さっそく♪

「………あ………………や………………ん………………」

 ………………しまった。
 なんて伏線だ。
 脚を開いたので、パンツが脱がせ辛い。
 ビジュアル的には楽しいものの、ここまで脚を開いてしまったら脱がせ辛いじゃないか、俺。
 さてどーしよ。

「………………あん……………やぁ………………はっ……………ん………」

 その間も静流は、俺の吐息を楽しむかのように身をよじっていた。
 人の気も知らねーでっ!
 おしおきだっ!

 つつつっ……。

「やあん!?」

 やべっ!
 …………………でも起きないんだな、これが。
 静流のパンツの端をなぞった指を、静かにひっこめる。
 なぞった太ももの付け根が、何かを誘うように動いていた。
 
「………駄目………だよぉ……………と……………」

 と?

「……………………とらぁ………………」

 ……………。
 思わず赤面してしまう。
 コイツ、夢の中まで俺にセクハラされてるとわ。
 あ、実際にしてんのか。
 そうだよな。
 これじゃまるで、悪戯しに来たみたいだもんな。
 俺はセクハラしに来たわけじゃない。
 すっかり忘れていたが、薫子さんの依頼で、難攻不落の要塞に押し入って、小さくて生暖かくてピンク色
 のブツを入手するという依頼のために来たのだ。
 色だの形状だの温度は指定されてない気もするが。
 任務達成が一番重要なのだ。
 もう充分楽しんだしな。
 俺は身を起こしながら、哀れな静流のパンツにそっと手を掛けた。
 こうなってはしょうがない。
 この状態でパンツを脱がすしか、選択は残されていなかった。
 既に大股開きだが、それも致し方無いのだ。
 本意ではないものの、この状態で脱がしたら全開バリバリだろうが……。
 それも致し方無い。
 忍者と言うのは、非情なものだな。
 つーことで♪

「……………………………あっ………………………」

 俺の両手がパンツに掛かる。
 そーっとピンク色のブツを下げて行く。
 そ――っと。
 そ――――――っと。
 2cm下がったところで、静流の……………恥毛が現れ出した。
 結構、毛、薄いね、静流ちゃん。
 ま、そんなことは重要じゃない。
 俺好みではあるが。
 更にパンツを下げる。
 そーっと。
 そ――――っ……殺気!?

「どりゃ!!!」

 ベッドの端を叩いて、マットを一瞬浮かす。
 その空間に手をいれて、マットをひっくり返した!
 伊賀崎流、桃色マット返しの術。

「んがっ!?」

 何か嫌な生き物の鳴き声がしたが、それどころじゃねー。
 マットに軽い衝撃。
 先ほど俺が目を血走らせていた地点が、着弾点であろう。
 危なく貫通するところだった苦無(くない)が、俺の視界に収まった。
 あぶねー。

「何をしている、貴様!」
「パンツ脱がし!」

 言いながら窓に向かって走り出す。
 俺の動きを察知した………康哉?
 すっかり忘れてたぜ、康哉の存在。

「滅せ!!!」
「誰がっ!」

 背中から迫り来る苦無(くない)(かわ)すために、窓に向かってジャンプ!

 ごがしゃーん。

 友達の部屋が舞台とは思えないようなアクションで、俺は庭に飛び出した。
 粉々に砕け散ったガラスが、身体中に振りかかる。
 そして殺気!

「……ハッ!」
「たう!」

 転がって、忍刀を(かわ)す。
 康哉の飛び込み斬りが、俺の頭上をかすめた。
 本気で殺すつもりかよ。
 どうやらそうらしい。
 康哉の目は、殺意に満ちていた。

「……貴様………屋敷にまで押し入って………破廉恥なことを………」
「押し入ったわけじゃねー! きちんと静流のかーちゃんに断わったわ!」
「……くっ……。御館様も……。何故貴様相手だと、甘いのか……」
「人徳じゃね?」
「貴様にそんなものなど……」

 康哉の姿が消えた。

「無いっ!」

 ひゅん。

「うおっ!」

 俺の脇腹を、石川秘具の忍刀がかすめた。
 この速度は……『猫爪(びょうそう)』か。

「ちぇい!」
 
 猫爪(びょうそう)が納刀され、再び抜刀(ばっとう)
 今度は熊爪(ゆうそう)の逆手だった。

「あぶっ!」

 逆手に握られた熊爪(ゆうそう)を、軽やかに(かわ)す。
 (かわ)した瞬間にはもう、熊爪(ゆうそう)が納刀されていた。
 納刀した鞘が光ったかと思った瞬間……。

「いやぁ!」
「うほ!?」

 鞘走りで速度の増した熊爪(ゆうそう)が、順手軌道で襲ってくる。
 相も変わらず、見事な連携だ。
 石川流抜刀(ばっとう)術は、熊爪(ゆうそう)猫爪(びょうそう)、順手と逆手の組み合わせで、四種類の斬撃を生み出す。
 しかもそこにコンビネーションが加わり、無限の軌道で敵を切り刻むのだ。

「ふっ! やっ! ちぇい!」
「うわっ! マジか! あぶねって!」

 次々と繰り出される斬撃を、身をよじって(かわ)して行く。
 本気だな、康哉。
 いつもより斬撃が、鋭すぎる。
 どーしたもんかね、しかし。
 こうなったら、静流でも人質に………。

 ひゅん!

「うぉ!」
「………なっ!?」

 ビシビシビシ!

 俺と康哉が飛び去った地面に、細かい矢が突き刺さって行った。
 長さ50cmくらいの、短い矢。
 発射地点を見ると……。
 男物のシャツを着て、真っ赤な顔をした……。
 静流が立っていた。

「…………説明……………………してくれる? ……………二人とも……………………」

 お、鬼だ。
 シャツ一枚、パンツ姿の鬼が廊下に立っている。
 静流は弓を番えながら、静かに呟いた。
 普通と違う形状の矢。
 矢の先が、ぷくりと膨れている。

「なんで……………ここにとらがいるの……?」
「な、なんででしょう?」
「……………昼寝してたら………突然ベッドから叩き落されたのは………なぜ?」
「し、静流様、それは………」
「………なんで……部屋の窓が……………破られてるの………………………?」
「し、静流! 俺の話しを聞け! これは演習なんだ! 『百地』の警備を………………」

 聞く耳持たないらしい。
 静流の瞳が、きらりと光った!

「あたしのパンツが下がってるのは、どーゆー訳なのよ―――――!」

 びゅん!

 静流の手から矢が放たれたかと思うと…………空中で分裂した!?
 お前の弓矢は、多弾頭ミサイルかっ!?

 びしびしびしびしびし!

 地面に壁に突き刺さる、短い矢。
 まったく速度の落ちていない、恐ろしい忍具だ。
 さすが『百地』。
 ………………って、感心してる場合じゃねーな。

「殺す! 今すぐ殺す! 絶対殺す――――――!」

 次々と繰り出される多弾頭の矢を、必至こいて(かわ)す。
 それは康哉も同じだったようだ。
 襲い来る短矢を、必至に(かわ)す。
 てゆーか、なんで康哉まで狙ってんだ、静流?
 ま、怒りで我を忘れているんだろう。
 野性どーぶつを怒らせると、怖いんだって。

「………くっ!」

 まずい!
 矢に足を取られた康哉が、バランスを崩した!
 二人の間は、相当な距離があるが……。

「でぇい!」

 俺は康哉目掛けて跳躍した。
 その間にも静流の矢は、康哉に襲いかかる。
 康哉なら(かわ)せないことも無いだろうが……。

「康哉!」
「……た、大河……?」
「とお!」
「ぐはっ!」

 呆然とする康哉の顔面に蹴りをいれて、その反動で静流に飛びかかる。
 いや別に、康哉のことを蹴りたかったわけじゃなくてよー。
 矢を(かわ)すためだよ、(かわ)すため♪
 その証拠に、康哉には当って無いじゃん。

「……え?」

 意外な展開だったのだろう。
 瞳を丸くした静流の手前に、すっと着地した。

「静流……」
「な、なに………?」
「ゴメンな……」
「………………え?」
「今度は最後まで……してやるからな。………夢の中だけじゃなくてよ♪」

 俺の台詞を聞いた静流の顔が……………真っ赤に染まった。
 図星だったらしい。

「………………………とぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 怖っ!
 一瞬静流が沈黙した隙を狙って、俺は一目散に走り出した。
 さっき通った道を逆順に。
 一歩でも外れると、警備衆が来ちゃうからな。
 なんで中庭に来なかったかは………………。

『あ、大河ちゃん〜。もう帰っちゃうの〜?』

 この人のせいだろうな。
 天井付近から聞こえる声に、俺はにこやかに答えた。

「あ、はい。また来ます」
「来るなぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!」

 びゅんびゅん。

 飛び交う弓矢を掻い潜り、俺は『百地』から脱出した。
 俺…………『楯岡』だなぁ。
 

 

 
 









『役立たず』
『……………………』

 帰り道、ずーんと落ち込む俺を置き去りにして去っていった、薫子さんの言葉が頭に響く。
 あんまりだ…………………。
 勿論、報酬などは貰えなかった。
 ま、任務に失敗してる………てか、大失敗だしな。
 今日は疲れたよ。
 夕暮れお日様が、目に染みた。
 ペンションに続く坂道を登りながら、今日のことを反芻する。
 今日は散々だった。
 身体は痛いし。
 役立たずって言われるし。
 ゲームは買えないし。
 腹は減ったし。

「お―――か―――え―――り―――♪ とぉ――――らぁ――――♪」

 鬼は家の前で待ってるし。
 ……………………………。
 ………………………………………………………。
 俺の地獄は、これからだし。














END





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 と、ここまで読んで頂いて、ありがとう御座いました。
作者のkyonです。
原作者(でいいのか?)自ら書くSSの第2弾、『静流……白刃を潜り抜け〜御パンツ大作戦〜』いかがで
したでしょーか。
前回のSSと違って、まさに『追加イベント型SS』ですね(笑)。
そりゃ書けるよってツッコミもございますでしょー。
てめーで削除したイベントなんだから(笑)。

『刃の下に』は、こういった個所が、所々にあります。
SSが書けるポイント、ですね。
わざと作ってたり、削除したイベントの名残だったり(笑)。
メインストーリーライン以外にも、物語はあるんです。
当たり前のことなんですけどね(笑)。
こーいったギャグイベントも許容できるような、世界を作ったつもりなんです。
勿論エロイベントも(笑)
『やばげの世界』、お楽しみ頂けたでしょーか?


 それでは、ここまで読んで頂いてありがとう御座います。
今年もやばげを宜しくお願い致します♪





2003/1/25 『眠りながら悶える静流たんハァハァ』 kyon

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